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2023/02/04 「金属アレルギー」にまつわるアレコレ。

こんにちは。Sou.jewelryです。今日は皆様からよくご質問をいただく「金属アレルギー」について、難しくない範囲内でお話ししようと思います。

▼そもそも金属アレルギーってなんなんだ?というと

市販されているアクセサリー、安くて可愛くて個性的なものもたくさんありますよね。私もすでにたくさんのコレクションを持っているのに、アンティークボタンのピアスを見つけて可愛いなと思ったり、素敵な形のネックレスを見つけてはいつか買うぞと意気込んだりします。

素敵なデザインで買いたくなったあとに見るべきポイントは、「金属部分の素材」です。

<金属が肌にくっつく→肌から出た汗が金属のイオンを溶かす→汗と一緒に体内に入った時に痒くなる>というのがおおまかな金属アレルギーの仕組みなので、このイオンが溶けにくい金属を選ぶのが、アレルギー反応が心配な時の一つのコツになります。

▼じゃあ何を選んだらいいんだろう?

となりますよね。ということで、一般的なアクセサリーによく使われるものを紹介します。

・真鍮(しんちゅう)英語でbrass(ブラスと書かれているところもあります)
金額が安く、加工もしやすい金属なので、パーツとしても安価で取引されています。安くて可愛いアクセサリーショップや、作家さんのアイテムにも多いです。表面にメッキやコーティングをされていることもありますが、汗っかきの方は特に痒くなりやすいです。
(他のお店で買った指輪をつけたら緑色になった!という話も耳にしますが、これは緑青(ろくしょう)と呼ばれる錆で、無害に等しいものなので洗えば問題ありません)

・K14gf(ゴールドフィルド)
真鍮や銀などの上から、厚い金属の膜が付いているもので、この10年ほどの間に一気に普及し、金色のアクセサリーの中にも多く出てきました。が、日本でこの加工をできる業者様はおらず、海外で加工されている形を日本に輸入しているのが現状です。金色の部分はあくまでも膜なので表面を削ったり叩いたりすると内側の金属が出てきてしまう特性があります。

・サージカルステンレス
名前の通り、「サージカル(surgical)」は「外科の、手術の」という意味を持ち、サージカルステンレスは元々医療用に開発された「アレルギー性の極めて低いステンレス」です。ジュエリー用の道具で加工するにはあまりに硬く、装飾や細かい加工ができないこと、また、人工的な金属のため貴金属としての価値は低かったり、傷がついたところは錆が発生したりすることなど、さまざまな理由から当店では使用していません。

・シルバー(シルバー925や950)
925の場合は92.5%がシルバー、950の場合は95.0%がシルバーで、金属アレルギーが”出にくい”金属です。銀色の輝きのため、金色にするためにはメッキ加工が必要になります。使わずに空気に触れた状態で長期間放置してしまうと、表面がくすんだり、茶〜黒色に変色したりしますが、店頭に持ってきていただければすぐにクリーニングが可能です。体質によってはご自身の汗で黒くなってしまう方もいらっしゃいますが、こちらもクリーニングでの新品仕上げが可能です。

・K10 / K14
10金や14金はK18よりも金の含有量が低い金属で、その分少し落ち着いたイエローの色味になります。金が入っている分シルバーよりも少し高価ですが、アレルギーは出にくく表面も金色で可愛いという魅力があります。
(ちなみに、金の含有割合はK10が41.7%、K14は58%、K18は75%となり、残りはシルバーや銅などが各社のそれぞれの割合によって含まれます。ピンクゴールドの場合にはシルバーよりも銅の割合が多くなります。)

▼じゃあアレルギーが出るかどうかは運ってこと?

運も確かにあるかもしれませんが、それよりも大事なことがいくつかあります。

まずは【アクセサリーをお休みする時間を作ってあげること】。
 自分はアレルギー出ていないから大丈夫!だと思っていませんか。知らず知らずのうちに、食事で微量の金属をとっていたり、虫歯治療で銀歯を入れたりすることでも、体内に慢性的に金属成分が入っていてアレルギーになったという方もいらっしゃいます。アレルギー症状はいつ出てくるかわからないものだからこそ、毎日付けっ放しでいるよりも、お休みする時間を作ってあげることも大切です。

そして【アレルギーの出にくい部分を知る、試すこと】です。
 指や手は習慣的によく洗うため、アレルギー反応が強く出る前に洗い流すことができます。反対にピアスやネックレスは1日1回お風呂に入った時にしか洗い流すことがないため、反応が出た頃には真っ赤になっているということも。「アレルギーがあるかもしれないから心配」という方は、細めの指輪を短い時間だけつけてみるところから、はじめてみてもいいかもしれません。

▼結論:アレルギーの出ていない方は真鍮もシルバーも大丈夫。
どうしても心配ならアレルギー検査をしておこう。

結局のところ、現在アレルギーが出ている方は何がダメなのかを知る必要が出てきます。それはアレルギーテストで知る方もいれば、「真鍮ポストのピアスつけてたら痒くなるからつけない。」「シルバーの指輪はつけても大丈夫だった」といった経験で知る方もいらっしゃいます。
ファーストジュエリーで心配だなという方は、アレルギーの出にくいシルバーを試してみるか、皮膚科でテストを受けて事前に確認しておくのが良いかと思います。

いろいろ話していますが、このブログを書いている私(デザイナー)も
・ピアスはシルバー・真鍮がだめ。つけるならK18のもの。
・ネックレスは服の上からならシルバーもOK、素肌なら心配だからK18。
・指輪はシルバー以上ならOK、真鍮は痒くなるため安いアクセサリーショップでは買わない。
と、こんな感じですので、きっとこれを読まれている皆様も、着ける場所やアイテムによって変わってくることと思います。

長くなってしまいましたが、指輪作りの参考にしていただけたら幸いです。
結婚指輪やご婚約指輪に使われる金属についてはまた、どこかでお話しできればと思います。

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